こちらは前作デュラエース編の続きになります。
まだお読みでない方は是非そちらからご覧ください。
https://jun48743003.hatenablog.com/entry/2023/08/28/195000
今回はULTEGRAシリーズについてみていきたいと思います。
DURA-ACEと異なるところが色々ありますので比較しながら見てみましょう。
ULTEGRAシリーズ
今回検証するのはULTEGRAシリーズからR8100.R8000.6800.6700になります。
今回も前回と同様の条件下で比較していきます。
R8100シリーズ
まず最初は最新のR8100シリーズ。
DURA-ACEのR9200と同じく12速になったのが大きなポイントのひとつです。
こちらのスプロケ展開なのですが、11-30T、11-34TとR9200と同じ展開で2種類になります。そしてギアコンビネーションは以下の通りです。
11-12-13-14-15-16-17-19-21-24-27-30
11-12-13-14-15-17-19-21-24-27-30-34
このような展開となっております。
おや?なにかお気づきになられた方もいらっしゃるようですね。
そうです。この世代はR9200シリーズと同じ展開となっております。
実はデュラエースにはもうひとつ…
では、デュラエースとの差はなんなのか。
ズバリ素材の違いにあります。
正直アルテグラ編でこれを描くとデメリットのように捉えられてしまうかもしれませんが、意外とそうでないと思える部分もあると思います。
その素材の差というのがR9200の11-30は19-30がチタンで出来ているというのが大きく異なるポイントになるといえます。
少し脱線しますが、チタンは強度が高いや硬いといったメリットをあげられるケースを拝見しますが、強度対重量比が高いと記す方が正しいかもしれません。ほぼ同じような内容かとは思いますが、ただ堅牢性に富んだ訳ではなく同じ強度で作った際の重量が軽くなるという事が大きなポイントになります。
種類により異なるので一概にいえるものではありませんが、鋼の約60%ほどになる素材になるのでスプロケなどの高いトルクがかかるような場所で計量性も求めたい場所にはとっておきの素材の一つと言えそうですね。
というところでメリットしか感じないような気がするチタンですが、我々消費者にとって大きなデメリットとしてあげられるのが値段の高さです。
ではなぜチタンが高くなるのでしょうか。
チタンは一般的にレアメタルと言われているので希少価値が高いと思われがちですが、地球上でかなりの量を取ることができるので希少性はそこまで高くないといえます。
高くなっている原因の1つは融点の高さにあります。鉄の融点が1536℃であり、一方チタンは1668℃と約150℃の差が生まれております。
この融点の差が工業製品としての加工のしにくさゆえチタン製品の値段が上がっていると言えるでしょう。
凄まじく脱線しましたが、これらの価格バランスとスプロケの重量と回転におけるホイールバランスを見た結果性能と合成の高いアルテグラのスプロケが出来上がったと考察しております。
そのため重量がそこまで気にならない方には目立ちにくいパーツの1つともいえるのでここをアルテグラにすることでデュラエースと同じ丁数が使用でき、上手くコストカットすることもできるのでおすすめのパーツになります。
では、次の世代へ
R8000シリーズ
では、来ました。
私愛用コンポーネントR8000シリーズ。かなり使いやすくバランスの良いコンポーネントですね。
別にR8000のステマではないですよ。(ピンポイント過ぎか)
では、展開をみてみましょう。
R8000は以下の通りとなっております。
11-25.11-28.11-30.12-25.14-28.11-32
以上の6種類となっております。
ギアコンビネーションは以下の通りです。
11-12-13-14-15-16-17-19-21-23-25
11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28
11-12-13-14-15-17-19-21-24-27-30
12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25
14-15-16-17-18-19-20-21-23-25-28
11-12-13-14-16-18-20-22-25-28-32
ん?なんかこれまでのシリーズに無かった組み合わせがありますね。
トップ14Tですね。今回の検証における条件下だと41km/hまでしか出ないですがロー側も28Tとヒルクライムに向いているかと言われると急勾配だとちょっとしんどい気もします。
では、なんの設定なのかと。
所謂ジュニアギアと称されるものです。
UCIで規定されているジュニアに適応されるルールで、GDがジュニアでは7.93以下、ユースU17では7.01、ユースU15では6.10、ユースU13では5.66とされております。
この規定に対応できるよう設定されたスプロケになります。
仮に50-11Tで28Cタイヤを履かせると9.69になってしまい全く対応できません。
そのためこのようなスプロケが誕生しました。
ですが、現在ではこの規定は撤廃されているようです。もちろんこれを制定した際の成長期の選手の体を守るという意図は現在も継がれていることでしょう。
ちなみにこのギアは後の6800シリーズでも展開されておりました。
他大きな点としては32Tが設定されているところにあると思います。これによりトップ11Tで最高速度を上げつつ急勾配にも対応でき、エリアを選ばない走行が可能になるといえます。
ですが、15Tから抜けているので高トルクでの高速走行で安定したケイデンス範囲の走行は難しいかもしれません。そのため、ロングライドやブルベなど様々なエリアを選ばず走る方にかなり有利なギア設定と言えるかもしれませんね。
6800シリーズ
6800シリーズ。
私はこの時代自転車業界におりませんでしたのでリアルタイムでの思い出こそありませんが、初めて見たアルテグラがこれだったと思います。R8000のクランクと見た目を比較して軽そうな印象を持った気がします。
では、ギア設定をみていきましょう。
11-12-13-14-15-16-17-18-19-21-23
11-12-13-14-15-16-17-19-21-23-25
11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28
11-12-13-14-16-18-20-22-25-28-32
12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25
14-15-16-17-18-19-20-21-23-25-28
以上の6種類の展開となっております。
これはデュラエース9000シリーズと重なるのですが、R8000と比べるとかなりクロスレシオなギアが目立ちますね。現在のスプロケと比較すると狙うポイントがかなり異なることを感じられますね。
基本構成はほぼ同じですがローギアに23Tが設定されているかどうかの違いが大きいところにあります。
R8000では11-30、6800では11-23が特異なギア設定として展開されています。
ここはただの考察すぎませんが、レースエリアを想定した際に登りでかなり軽いフロントギアを設定する必要のあるロー23Tよりも、30Tで少しワイドレシオになるもののバラエティ豊かなコースに対応できる方が需要があるという結論に至ったためと考えます。的外れな事でしたらスイマセン
では、アルテグラ最後のシリーズへ!!
6700シリーズ
今回検証の中でアルテグラ最古のシリーズ。6700シリーズ。このシリーズで初のDi2が出たので当時衝撃を受けた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?いや、しらんけど
では、さっそくこのシリーズの設定もみてみましょう。
以下の通りになります。
11-12-13-14-15-17-19-21-23-25
11-12-13-14-15-17-19-21-24-28
12-13-14-15-16-17-19-21-23-25
12-13-14-15-17-19-21-24-27-30
この当時私全く自転車のこと知らなかったんですよ。調べたら発売が2009年らしいんですね。
いや、わたしまだ小学生なんよ!!
14年前。すごいですね。現在でもこのシリーズを利用されている方はたくさんいらっしゃると思います。現在でも充分に使えるコンポーネントを当時から使っていたと考えるとシマノの技術って本当に高いんだなと感じます。
と、本題はスプロケですよね。
この構成をみたとき思いました。
「え?クロスレシオが過ぎません?」と
確かに12-30Tはギア比4.16〜1.66まで幅広い範囲をカバーできるものの、トップ11Tになると28Tまでの対応と考えるといかに現在のギア設定がワイドレシオなものであるか、そしてその間のギアの抜けが少なくなるよう設定されているか、その辺りがよくできているなと考えられます。
もちろんこの時代はリア10sのカセットになるので現在のシリーズと同じ設定にするのは現実的ではないので否定するものではありません。
これらをみるとヒルクライムはあまり視野に入れられない方は、より高速域をスムーズにシフトチェンジが可能なこの世代を使用するのもいいのかもしれませんね。
これでアルテグラ編は以上となります。
次は105編になります。
やはりこの内容になるとどうしてもかなり長くなってしまうので第3章として分けて上げていきます。
是非ご覧ください。