【ミニベロの走行性能】小径って本当に進まない?

f:id:jun48743003:20240303202336p:image

私はミニベロにアウトランクを所有しているんですが、正直最近はあんまり使ってないんですね。

f:id:jun48743003:20240303191040j:image

 

で、これは別にこの車体が無能とか気に食わんとかそういう話では無いんです。

まぁ、使い勝手がいいかと言われるとアレですが…

 

とはいえ、私も自転車屋に勤めてくる中で何度もお客様から「引っ越してきた時に置く場所が無かったから買った折り畳み自転車が本当に進まないから、ちゃんと進む自転車が欲しいんです」といった事を聞きました。

そういった事をよく聞くものの、それは果たして本当にそうなのか?また、本当であったとして何故そのような事態が発展するのか?原因を探っていきましょう!

 

なんでアウトランク買った?

 

私が買ったミニベロはアウトランク。

 

f:id:jun48743003:20240303191633j:image

 

https://ec.cb-asahi.co.jp/catalog/products/affa53b7ef444b13851f0ca0736f9c61

 

これを購入したのはかれこれ2年以上前なのですが、その当時に勤めてたところが最寄り駅からまぁ遠いと。その上バスも30分に一本なので、逃すと周りにコンビニしか無い極寒の夜空の下で待つ他無かったので、輪行して通う事になりました。(ちなみに最寄りの駅の駐輪場をとる事も出来なかったのでこれしか選択が無かったと)

その時に買った車体ですね。

 

 

で、結局なんで最近使ってないか?

 

この車体の持つ特性と使用用途が一致しないから

 

正直これに限ります。

 

自転車に限った話では無いのですが、モノには必ず得手不得手が必ずあります。

それで場面が合致せず、使用頻度が減った。これだけの話です。

しかし、どういった場面からそのような結論に至るのか?

 

これはかなり分解しながら他と比較して見てみる必要があるので、少し長くなるかと思いますね。

 

ということで、今回は

 

アウトランGIANT IDIOM2シティサイクル27インチで比較しようと思います。

 

その中で最もわかりやすいポイントとして、ギア比とGDの2点で見て検証していきましょう。

 

まず、簡単にスペックを見てみましょう。

 

アウトラン

f:id:jun48743003:20240303201204j:image

タイヤサイズ:14×1.95(今回タイヤ外周が算出できなかったため14×1.75 ETRTO47-254で比較を進めていきます。)

ギア設定:F38T R11T

 

・IDIOM

f:id:jun48743003:20240303201314j:image

https://www.giant.co.jp/giant24/bike_datail.php?p_id=00000037

 

タイヤサイズ:20×1 (今回タイヤ外周が算出できなかったため20×1.25 ETRTO32-406で比較を進めていきます。)

ギア設定:F48T R11T

 

シティサイクル

f:id:jun48743003:20240303201422j:image

※対象は画像の車両ではありません。

タイヤサイズ:27×1 3/8 ETRTO 37-630

ギア設定:F32T R15T

 

このような内容で比較します。

※IDIOMに関してはトップギアで算出します。

※以下の検証の数値は1000分の1未満は切り捨てで行います。

※本来設定されているタイヤサイズと異なるので結論づける数値は近似値になります。

 

さっそく比較してみた

 

では、まずアウトランから

アウトランクは14×1.75(47-254)のタイヤで外周長が1055mmとなります。

設定されているギアは先述した通りF38T R11Tになるのでギア比は3.454

それによるGDは3.643mとなります。

 

ちなみにGDとはギア比距離のことで、その設定されたギア比に対して一回転させた時どれだけ進むかを示すものになります。

 

では、次いでIDIOMです。

タイヤサイズ20×1.25(32-406)でタイヤ外周長が1450mm。ギアはF48T R11-32Tになるので48-11Tとします。

ギア比は4.363 GDは6.326mとなります。

 

シティサイクルも見てみましょう。

シティサイクルは特定の車体ではなく平均的なスペックとします。

タイヤサイズは27×1 3/8(37-630)とし、外周長が2169mmでかなり周長が長い事がわかります。設定されているギアはF32T R15Tとします。その際のギア比は2.133で、GDは4.626mとなります。

 

鋭い方はこの時点で「あれっ??」っとなってる方もいらっしゃるのではないかなと思います。

そうです。

 

タイヤサイズが大きい車体=進む距離が長い(よく進む)とはならないんです。

 

これはギア比による差が大きいです。

 

もちろん大きなタイヤの方が1回転した時の進む距離は長いです。しかし、それを回すのは乗り手の足元にあるギアなんです。

なので、いくらタイヤが大きくてもそのサイズに合ったギアが設定されていないと安定した走りというのは得ることができません。

小さなタイヤに小さなギアが付いていると進む量は少なくなりますし、逆に大きなタイヤに大きなギアを付けると進むものの、あまりにもの重たさでクランクを回すことすらままならないと思います。

 

ママチャリにロードバイクほどの高速域での軽快さは必要ないですよね?逆にロードバイクにママチャリほど軽く少ない力での出だしはそこまで求められる機会は多くありませんよね?

ギア設定だけが全てではありませんが、進みやすいか否かのめっちゃ大きな境目はそこで見極めることはできますので、今後の自転車選びのご参考にどうぞ!