なんでもええやん!!
で収まらないのが世の常である。私の一個人としての意見をあげさせてもらうのであればブレーキとしてはディスクの選択がベストであると考えてます。では、現在のロードバイク界隈の現状を見ながら今後どのように進んでいくか予測しながら、ブレーキはどちらに軍配が上がるのか考察していきましょう。
現代において、フレームの規格においてもそうですが、コンポーネントに関してもさっと目を通すだけでも圧倒的にディスクブレーキが多くなったなと感じます。私の感じるところでは2018年頃からその流れは始まり、2021年頃には大半のブランドでディスクブレーキ化が行われたと感じております。ワールドツアーでは2021年辺りでのイネオス・グレナディアスのPINARELLO DOGMA Fを最後にリムブレーキのバイクはトッププロの世界では見かけなくなったと思います。では、今後の選択としてディスクブレーキが最善なのでしょうか?
私の予想ではありますが、完全に無くなることは無いかと思います。もちろん30年40年経ってどうなるかはわかりませんが、10年くらいは完全に無くなるなんてことは無いかなと考えております。とはいえ、ハイエンドのレーシングバイクはほぼ全て無くなると言っても過言では無いのでは?と思います。その根拠として現代にVブレーキのマウンテンバイクのハイエンドが存在しないことがあげられます。流れとしては全く同じ道を辿っていくのではないかと考えております。そのため一部エントリーグレードのみを比較的リーズナブルにパッケージングし、いざ始めようとされる方向けに残すところはあると思います。ですが、それもごく一部になるでしょう。
ブレーキ種類の優劣?
では、タイトル回収ということで本題へ入っていきましょう。
現在Xをはじめとした、様々なSNSでブレーキ種類の論争が起こってますが、あれなんでなんですかね?私としては「好きなもん使ってもろて」くらいなんですが。まぁ、きのこたけのこ合戦とほぼ同じ位置付けなんですかね?
…ほなえらいことやないか!!
ということで、ここでは私がXで見かけたディスクとリムの双方の意見を汲み取って、どちらに優位性があるかを主観的に決めていきたいと思います。
まず、リムブレーキ派の意見で多く見られたのが
・輪行がしやすい。
・ブレーキのコントロールがしやすい。
・これまで使って来たから慣れている。
・総重量が軽い
・クイックリリースで車輪が外しやすい
といったとこですね。このような意見を多く拝見しました。
では、ディスクブレーキ種類の意見としては
・制動力が高い。
・今後の主流になっていく。
・使ってある中で摩耗してもローターの交換だけでよく、ブレーキが直接原因してリムを傷めない。
・スルーアクスル化により剛性が高まる。
こういった意見を多く拝見していたかと思います。
では、一点ずつ比較しましょう。
一つ目「輪行がしやすい」という点です。
これはリムブレーキに軍配があがると思います。というのも、現代におけるディスクブレーキの多くは油圧式になっており、誤って車輪を抜いたタイミングでブレーキレバーを握ってしまい、ピストンが飛び出たことでクリアランスが必要十分量確保できなくなってしまい、一定のタイミング以上でディスクローターに接触し続ける事態が発生することが懸念点としてあげられます。また、リムブレーキと同様にワイヤー引きのディスクブレーキであったとしても、ディスクローターが当たってしまって大きく曲がってしまったり、そのローターがフレームにぶつかってしまい、フレームに大きな傷ができてしまったりという事態も考えられます。普段から綺麗に扱っているバイクも傷が入ってしまっては悲しいですよね。それらの事を考慮するとそのリスクが低いリムブレーキの方に軍配があがると思います。
〜P.S.〜
輪行する頻度を聞いてみた結果
今回の結果に限った話にはなるが、頻度が高くならないのであれば輪行に関してはリムブレーキが必ずしも優勢になるというわけでもなさそうですね。
では2つめです。
「ブレーキのコントロールがしやすい」という点です。
これはどういうことか?これは一部私の憶測を含むところにはなりますが、ブレーキの効きというポイントと類似する項目にもなると思います。単純にリムブレーキとディスクブレーキの2点で比較した際ディスクブレーキの方が制動力が高くよく止まるというのが最近での一般論であると思います。しかしながら、よく止まる物を上手くコントロールできないとかえって大きな事故に繋がることが十分に考えられます。その点においてフルブレーキでも最悪の事態が起こりにくいリムブレーキの方がコントロールがしやすいといわれる所以なのかと思われます。
ですが、現代のシマノブレーキに関してはサーバウェーブ機構が備わっているため、そこまで極端な差は生まれないと言っても良いかと思います。
サーバウェーブに関してはこちらから↓
https://bike.shimano.com/ja-JP/technologies/component/details/servo-wave-action.html
ついで第3のポイント。
これまで使って来たから慣れている
はい。早くディスクも慣れてください。
で、第4点ですね。
総重量が軽いという点ですね。
これは昔から言われ続けられていた事だと思います。確かにディスクブレーキ黎明期のバイクは9キロ台の車体なんて当然でなんなら「軽い」と評価する人も多かったかと思います。(そもそもディスクバイクが少なかったから相対的に重たくなりやすいっていうのはありますが)
コンポーネントで見てみるとST-R9270はペアでの平均重量が350g。ST-R9150だとペアで230gと確かに重たくなってはいます。
ですが、最近のトッププロの使用するバイクを見てみると
例えばIneos Grenadiers所属のエガン・ベルナルのPINARELLO DOGMA Fにおいては
https://youtu.be/c-hQAqqCAUs?si=pdzh9qJyf-6uK8Yl
重量7.30kgとエアロロードバイクとして考えると軽い分類になるかとは思いますが、軽量化だけにフォーカスを当てると必要以上の軽量化はむしろ求めたい剛性感やバイクコンセプトに影響する可能性も考えられるので寧ろデメリットになってくることも考えられます。
重量面でとことん軽くしたいという方もスペシャライズドのAethosやヨネックスのCARBONEXやキャニオンUltimate CFRなどを選択する事で極めて軽量なバイクを仕上げることは可能かと思いますのでこれも必ずしもリムブレーキが優勢とは言い難いポイントかもしれません。
Aethos https://www.specialized-onlinestore.jp/shop/c/c50104510/
CARBONEX https://www.yonex.co.jp/sp/roadbike/frame_set/carbonex-sld.html
Ultimate CFR https://www.canyon.com/ja-jp/road-bikes/race-bikes/ultimate/cfr/ultimate-cfr-di2/3325.html
そして次ですね。
クイックリリースで車輪が脱着しやすいという点です。
これは正直あると思います。
前輪は爪があるのでレバーを倒して少し緩めてあげないと車輪が抜けることはないですが、後輪は緩めるだけで抜けるので、アクスル本体を抜ききる必要性のあるスルーアクスルと比べるとこれは間違いなくクイックリリースに軍配があがると考えます。
とはいえ、スルーアクスルの中にもスピードリリースというより容易に脱着が行える機構も存在しているので必ずしもスルーアクスルが劣勢かと言われるとそうでも無い部分はありますが、全体をみるとクイックの方が容易でスムーズであると言えると思います。
https://www.mavic.com/ja-jp/p/speed-release-oc0950
では、ここからはディスクブレーキで一般に言われている内容に移っていきます。
まず一つ目。制動力が高いという点です。
これは間違いないと思います。
特に油圧に関してはストッピングパワーの増幅機構と言っていいと思います。少ない握る力で安定した制動力を得ることができるので、特に握力に自信のない方や、ダウンヒルのエリアが長く続く場面をよく走られる方は特にメリットとして働くと思います。
次いで、今後の主流になっていくという点ですね。
というかもうなってますよね。
各社様々なロードバイクが出て来ておりますが、空力性能に優れたバイク。軽量性に富んだバイク。場面を使わず走れるバイク。バラエティに富んだものが増えて来ております。しかしパッと見ではありますが、その9割くらいはディスクブレーキですよね。しかもそれは完成車のみならず、コンポーネント。ホイール。あらゆる場面で変わっております。そう言った面でみると、今後乗り換えや新しく始められる方はディスクブレーキの車体を選ぶことが得策であると間違いなく言えるでしょう。
そして、使ってある中で摩耗してもローターの交換だけでよく、ブレーキが直接原因してリムを傷めないという点についてです。
確かにこれに関しては間違いないとは思うのですが、私の経験上、ブレーキシューを定期的に交換してクリーニングをしっかりと行っている方で短期的にリムの破損や交換まで達してしまう事がないので、よほどの事がない限り圧倒的なメリットとして働くことはないのかなと思います。ですが、ブレーキシューに気付かない間に異物が挟まってしまい、その状態でブレーキをかけてリムを割るという最悪の事態は回避できるので少しメリットがあるくらいなのかなと感じます。
そして、最後に
スルーアクスル化により剛性が高まるという点ですね。
これはブレーキで左右されるポイントではないのですが、ディスクブレーキ化が進んだと同時に発展して来た技術で、リムブレーキには無い機構になるので一旦含みます。
クイックの場合は5mmの軸を入れて、コの字型に切られたエンド部に挟み込み固定する機構となっておりましたが、現在の多くのバイクではディスクブレーキ化が進み、それにおける捩れ合成を高め、ブレーキを安定して効かせるためにフレームエンド部に切られたネジに12mmのアクスルを嵌め込む形に変更されました。一部のバイクではクイックリリースを残し、エンド部の向きを変えることにより、合成を担保しようという車体もありますが、それもごくわずかです。
これらの軸は太い方が単純に質量が多くなるので、当然重たくなる傾向には進みますが、それ以上にフレームとの一体感が向上するため、ダンシングでバイクを左右に大きく振った際の反応感は高まるといえます。
少し話はズレました。その点の剛性感を向上させる目的はもう一つあります。それはディスクブレーキとリムブレーキの制動方法の違いです。
まぁ、何をいまさらって感じかもしれませんが、リムブレーキはこのように
ホイールの中央に取り付けられ、左右からリム面を挟み込むことで制動します。
ですが、ディスクブレーキでは
フレーム左側についているため、ブレーキをかけると左側へのみ引っ張られるため車輪がセンターからずれてしまったり、ローターがブレーキに当たってしまったりする事が起こり得ます。
この点に関してはディスクブレーキ化が進んだ事による背景ですので、スルーアクスル化単体では考え難いと思いますので、ディスクブレーキのメリットとは明確にはできないと思います。
結局どちらが優れていると言えるか?
基本的な制動力の話だけをすればディスクブレーキに軍配はあがるかと思います。しかし、輪行や車輪交換のスムーズさなど、自転車にのみ出てくる背景があるので必ずしもそれだけでは決められるものではありません。その上、つい数年前まではハイエンドモデルでも、リムブレーキのモデルは開発されていたので、リムブレーキバイクのオーナー様はまだまだたくさんいらっしゃいます。ですが、これからは間違いなくディスクブレーキが主流になっていくと考えられるので、互いに柔軟に環境にあわせて対応していきましょう。
ただ、BB下のダイレクトマウント。てめぇはだめだ。