変速調整ってしたことあります?
私はあります。
てか、それが仕事なんで当たり前なんですが。
私がこれまでに色々な自転車を触ってきた中で、真っ先に壁にぶち当たったところ。それがフロントディレーラーでした。
最近のスポーツバイクだと、リアの多段化とワイドレシオ化に伴い、フロントシングルのものが増えてきてはいるのでジャンルによっては触ることが減ってきているのも一つ事実ではありますが、まだまだ残っているフロントディレーラーの調整。
触る時期やその時の綜合的なスキルを加味すると油圧ブレーキのブリーディングよりも難しいと感じる方もおられるかもしれませんね。知らんけど…
では、なぜ難易度が高いと感じるか
まず、フロントディレーラーとリアディレーラーの2つの調整難易度を比較すると、ほぼ全員がフロントディレーラーの方が難しいと感じると思います。
それはなぜか?
今回はFD-R8000をベースに進めます。
難しさの一つに本体の取り付けがシビアであることがあげられます。
それはどういう事か?
https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/RAFD001/DM-RAFD001-05-JPN.pdf
まず、リアディレーラーの取り付けはエンドに取り付けるだけで基本は終わりです。かなり省いて話しました
ですが、フロントディレーラーは取り付けが個人的に最難関であると思います。
それはなぜか?
フロントディレーラーは
このように取り付けられますね?
さっそく8050でさーせん…
ただ、ここの取り付けが難しいんです。
では、シマノのマニュアルを見てみましょう。
上記画像はフロントディレーラーの取り付け高さの説明になります。
画像の(A)はフロントディレーラーのアウタープレート。(B)はアウターチェーンリングになります。
そして残る(Z)なのですが、これはフロントディレーラーアウタープレートの下部とチェーンリングの最大高さの差を示したものになります。
チェーンリングの最大高さ?
てか、チェーンリングの歯って同じじゃ無いの?と思われた方。
https://youtu.be/680zzrCH4aU?si=7hQGl8esBgIAEIcm
実は少しずつ変わるんです。
現行のものだと大きな差は出ないかなと思うのですが、ものによってはパッと見だけで明らかな差がわかるものも存在します。
で、先ほどの画像の(Z)の高さを調整するのですが、そこは1mm〜3mmで任意の高さになります。
でも、そんな高さって正直わかりにくいですよね。
そこは世界のシマノ!!
ちゃんと対策してくれてます!
中央に赤いシールがあるのが分かりますかね?
写真はFD-R2000なのですが、このように新品のフロントディレーラーには高さ調整用のガイドステッカーが貼ってあるんです。
拡大すると中央だけ赤くないのがよく分かると思います。
このクリアの部分にチェーンリングの最大高さが収まるように付けてあげれば高さの調整はバッチリです!
ですが、中古で購入したりオーバーホールを行ったりして取り付けの際ガイドが無いことも頻繁にありますので、高さの感覚は身につけていると安心です。
ちなみにチェーンリングとの高さの決定は任意になりますが、低めに設定しておくとレスポンスが高く、なおかつ外側へのチェーン落ちのリスクが下がるというのが一般的な認知になります。
ですが、下げすぎるとチェーンリングに当たることもありますのでその辺りは上手く選択してください。
サポートボルトは出てますか?
今まだ取り付けの途中しか説明してませんがついて来れてますか?
高さはこれでおおよそご理解いただけたものと思ってます。
そして次も難関ポイント!
角度調整!!
というか、フロントディレーラーの変速調整は全て難関であると思っておいてください。
今、高さだけが完璧なフロントディレーラーが付いていると思います。
フロントディレーラーにおいては角度が本当に大切になるんです。
これがフロントディレーラーです。
「知っとるわ」ってな。
で、今回の角度でポイントになるのは
コ⤴︎コ⤵︎
失礼しました
ここをチェーンリングに対して正しい角度で取り付けを行いたい。
こんな感じで。
画像はDi2なのでフロントディレーラーのプレートはチェーンリングに対して平行に付けておりますが、例えばE-tapになると角度が異なってきますので使用するコンポを確認して取り付けてください。
そしてこれ!!(クソデカボイス)
わかります?
こいつです!
サポートボルト!!
これを把握されてない方が多すぎる!!
正直な話すると、中には自転車屋でも「変速調整しました!」って言って渡したものにサポートボルトが出ていないなんてものも存在してしまっております。
サポートボルトはフロントディレーラーに力が加わり、捻れて調整した角度が変わらないように付いております。
それを必ず出してあげてください。
ここから出せます。
そして、そのサポートボルトを出した先で受ける部分がフレームだと傷がついてしまいますね。
そうならないよう、バックアッププレートを貼ってください。
ここまで出来ればぼぼ完成です。
一つ途中話しそびれましたが、角度の調整をする際に直付けのフロントディレーラーの場合に、フレームのディレーラー台座はRを描いております。
ですが、ディレーラーを取り付けるボルトを見ると面は平です。
これについて違和感は感じられましたか?
そうです。
丸みを帯びた面には必ず丸みを帯びたものを付けないといけないんです。
そこで一役買ってくれるのが
こやつです!
このように片側がRを描いていて、反面が平なんです。
もうおわかりですよね?
これを台座とボルトの間に入れるんです。
そうすることで本体の角度の調整を有効にできるんですね。
こんな感じです。
そしてこの後はワイヤー引きや電動で動きは異なりますが、正しく動作するように調整を行ってください!
今回は取り付けのお話でした!
変速調整は乗り気の時に出します!!知らんけど!!